#2 拡大するヘルスケアの事業領域

皆さん、こんにちは!ヘルスケアビジネス総研の原です。

今日は弊社の社名にも含まれている”ヘルスケアビジネス”についてご説明したいと思います。皆様は、最近ニュースや新聞で”ヘルスケア”ということばを目にされたり、聞かれたりしたことはありますか?

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ヘルスケアの定義は日本と海外で異なる

ヘルスケアをGoogleで調べてみると、抜粋欄に以下のような記載が出てきます。

ヘルスケアとは、健康の維持や増進のための行為や健康管理のことです。 昨今では医師に頼らず自分で治療を行うセルフメディケーション(自己治療)が同様の意味で使われていることもあります。

出典:SMBC日興証券 初めてでもわかりやすい用語集
https://www.smbcnikko.co.jp/terms/index.html

ヘルスケアという用語は診断・治療などの医療サービス自体より、総合的な健康の維持と向上といった意味で使用されることが多いようです。これは日本では健康増進や予防医学が進んでおり、生活習慣病の予防や早期発見に注力しているという背景があるためかもしれません。

それでは、海外ではどのような使われ方をしているのでしょうか。ケンブリッジ英語辞典によると、healthcareとhealth care(間にスペースが入るもの)とで少し違ったニュアンスで使われているようです。

  • healthcare:医療サービスを提供する活動やビジネスのこと
  • health care:国や組織が提供するサービスで、人の健康を守ることや病気の人の治療を含むもの

(筆者訳)

参考:Cambridge Dictionary
https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/healthcare
https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/health-care

海外でヘルスケアという用語は、医療用途の製品・サービスと健康関連の製品・サービスの両方を意味するものになっています。私も海外で医療機器・医療サービスの話を聞くことがありますが、そのときには前者の医療サービスという意味で使用されることが多いです。日本でヘルスケアが主に医療サービス以外を指すことが多いのとは対極的ですね。

ヘルスケアビジネスについて

それでは、ヘルスケアビジネスとは具体的にどういったものを指すのでしょうか?弊社ではヘルスケアビジネス=医療と健康に関わるビジネス、つまり医療用との製品やサービスだけでなく健康や医療周辺の製品・サービスも含めたビジネスと定義しています。医療と健康それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

医療用途の製品・サービス

診断、治療に関わるものであり、病院や診療所が行う医療サービス、そこで処方される医薬品、医療従事者や患者が使用する医療機器と体外診断薬が主な対象になります。これらは薬機法という法的な根拠で囲われている点で、他の製品サービスとは一線を画しています。

病院や診療所が行う医療サービスには病院・診療所(クリニック、総合病院、専門病院、リハビリテーション病院など色々なスタイルがあります)、歯科治療(自由診療サービスもあります)が含まれています。また最近着目されるようになってきた医療×情報技術のシステム・サービスとして、電子カルテシステム、オンライン診療、健康管理アプリなどもあります。

健康・医療周辺の製品・サービス

予防・健康増進に関わるもの、介護・福祉に関わるもの、医療サービスを提供する上での関連技術などがあります。幾つか例を挙げてみましょう。

  • 予防と健康増進については、健康診断・スクリーニング、ワクチン接種、健康相談・教育、健康補助食品(栄養補助食品、ビタミン剤、ハーブ製品など)。最近はフィットネスやウェルネスに関わる製品・サービスも増えています。
  • 介護・福祉サービスとしては、訪問介護、訪問看護、デイサービス、介護施設(介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、など)。
  • 関連技術としては、新薬開発(遺伝子治療、再生医療、バイオシミラー)、診断技術(分子診断、パーソナライズドメディシン)。

これら全てがヘルスケアビジネスであり、幅広い事業の集合体であることがおわかり頂けるのではないかと思います。ここには掲載していない事業領域もまだまだありますので、いずれ改めてご紹介したいと思います。

ヘルスケアビジネスは大きく伸びている

ヘルスケアビジネスはなぜ注目市場であるといわれるのでしょうか?その代表的な理由は、市場が活発で成長率が高いからとされています。2つほど図をお見せしながら説明したいと思います。

次の図をご覧下さい。このラダーは国内のヘルスケア産業の市場規模の推移を表していますが、2020年に26兆円であった市場が、2030年に37兆円まで成長しています。人口が減少して需要が伸び悩んでいる日本国内で、逆風に負けずに10年で1.4倍に成長する産業であることがわかると思います。

https://www.projectdesign.jp/201608/healthcare/003059.php
を参考に筆者作成

次のグラフは製造業と医療福祉産業を比較したときの従事者数の比較・推移を示したものです。戦後の日本の産業を牽引してきたのは製造業ですが、青い線で示したように、近年製造業の従事者数は徐々に減少しております。一方でオレンジの線に着目すると、医療福祉産業では従事者数が順調に伸びており、2030年にグラフがクロスしています。労働者数ベースでみると、もう間もなく医療福祉の方が日本の主要産業となるのです。

(参照)

労働力需給の推計 -労働力需給モデル(2018年度版)による-将来推計 p8

https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2019/documents/209.pdf
を参考に筆者作成

新たなヘルスケアビジネス領域の拡大

このように既存市場規模が(タテ方向に)伸びているヘルスケア産業ですが、実は昨今はヨコ方向、つまりビジネス領域自体もどんどん新しく追加されています。

例えば、神戸発の国産手術ロボット「hinotori」を開発する株式会社メディカロイド社は、医療機器や体外診断薬を専門に製造販売するシスメックス株式会社と、日本の代表的なものづくり企業でロボット技術を持つ川崎重工業株式会社が共同で出資した医療機器会社です。医療機器の技術とロボット技術の掛け合わせによって、ロボット支援手術という新しい手術の分野が作られ、多くの医療従事者がスキルをつけて治療で実践することで、患者さんの低侵襲治療が大きく発展しました。

今は手術用ロボットの例を出しましたが、他にも医療用ソフトウェア(SaMD: Software as a Medical Device)、アルツハイマ−病の予防技術、医療用AIなど、最近非常に注目されている分野が多くあります。これらは従来からニーズがある市場と新たな技術・サービスを掛け合わせることによって生まれた新しいビジネスです。このようにしてヘルスケア市場はヨコ方向に拡大し続けているのです。

しかしこう言った革新的なビジネスは、既存のヘルスケアビジネス企業だけで立ち上げようとすると、自社技術・サービスでは解決が難しい課題があり上手く行かないケースも多くあります。そこで、ヘルスケア以外の業種の企業が新しく参入することによって(今回の川崎重工業様のように)新規事業が上手く行くという事例がどんどん増えているのです。

そうは言っても、参入障壁が高いと言われるヘルスケア分野は新規参入プレイヤーの数がまだまだ少ないのも現実です。新規事業をお考えの会社様は、ぜひヘルスケア分野への参入を検討してみてはいかがでしょうか。

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